ソニー・コンピュータエンタテインメント 第2制作部 小谷浩之
『XI[sai]』を作ったシフトを担当するほか、さまざまなソフトを商品化にこぎつけた、前回の「ゲームやろうぜ!」プロデューサー小谷氏。彼は「ゲームやろうぜ!」を通じて、クリエイターたちにどんなアドバイスを送ったのか。当時を振り返る、第二回。
「ゲームやろうぜ!」の合格クリエイター同士での交流はどのようなかたちで行われていたんですか?
3〜4ヵ月に一度、各チームが作ったゲームの発表会をするんです。そのときは、お互いにライバル視していましたね。発表会が終わると「どうやってんの?」なんて情報交換をして。やはり、地方のチームもいくつかあったので、実際に交流できる場というのは刺激になるんですよね。
『XI[sai]』はミリオンセラーのヒット作となりましたが、どこがポイントだったと思いますか?
一作目の『XI[sai]』はチュートリアルをものすごくしっかり作ったんです。これは大変な作業でした。すべてのルールとテクニックをわかるように、ひとつひとつのキャラクターを配置して、解説していくんですから。でも、パッケージングする商品にするためには、人にわかってもらわないといけない。どうしても学生が作ったゲームは、自分たちだけが理解できるものになってしまう。でも、商品にするということは、それだけじゃいけない。自分たちの作ったものを、人に面白さを理解してもらうためにはどうしたらいいのか。すぐに投げ出さないように遊び続けてもらうにはどうしたらいいのか。それを考えていく過程がすごく大事でしたね。
「ゲームやろうぜ!」でゲームを作ることのよさはどこにあるのでしょう?
「ゲームやろうぜ!」は企画を数え切れないほど出す場なんです。もちろん、数え切れないほどボツになるんですけど。でも、プロになると、そこまでボツを出す場所も勇気もなくなるんですよ。自分のゲームに対する哲学や考え方を試すことのできる場だと思うんです。まるで昔の学生が議論しているような場なんですよね。そういう場に参加できるのは、貴重な体験だと思います。
『XI[sai]』以外のタイトルで思い出に残っているものはありますか?

"PlayStation"用ソフト
「パネキット」
1999年8月5日発売
最後まで面倒を見たチームはどこもすごくいいチームなんですよ。デザートプロダクションは『激走トマランナー』『激走トマラルク』『ブラボーミュージック』とたくさんのゲームを世に送り出しました。意表をつくアイデアがすばらしかったです。あと、『スカイガンナー』を作ったピクセルアーツもよかった。『スカイガンナー』はすごく完成度の高いゲームでしたからね。あと、忘れられないのは『パネキット』を作った、すさみ。『パネキット』は伝説のゲームですね。パネルを組み合わせてモデルを作ると、物理法則にしたがってモデルが動きだす。「ゲームやろうぜ!」のほかのチームもすごく刺激を受けていました。
最後に、今回の「ゲームやろうぜ!2006」に応募するクリエイターにアドバイスを!
ありふれたことの中に新しいものが眠っていると思うんです。奇抜なことではなくて、なんでもないところにアイデアは眠っている。『XI[sai]』のときも、サイコロのゲームと聞いた瞬間に、ええ〜っと思いましたもん。でも、杉山くんの熱心な説明で、そのアイデアに気がついた。「このアイデアをなんで思いつかなかったんだ!」「なんで見落としていたんだろう」と思えるようなゲームが一番面白いと思うんです。「ゲームやろうぜ!」は、学園祭の前日のようなわくわくする楽しさがあります。ぜひ、面白いものを作って欲しいです。
![]() "PlayStation"用ソフト 「激走トマランナー」 1999年7月22日発売 |
![]() "PlayStation"用ソフト 「激突トマラルク」 2000年7月19日発売 |
![]() "PlayStation 2"用ソフト 「ブラボーミュージック」 2001年10月11日発売 |
![]() "PlayStation 2"用ソフト 「SKYGUNNER」 2001年9月27日発売 |
次回予告
さて、次回はゲームの制作現場の最前線に迫ります。はたして、どのような過程を経て、ゲームは生まれているのか。現役クリエイターにインタビュー!
お楽しみに!







